2011年3月8日火曜日

屋上にて

それは10月のはなし
頭上を 無数の椋鳥が
駅前の寝床へと向かう
空き瓶に空き缶
割れたガラス
使い捨てられた箸袋
煙草の吸い殻
クシャクシャの買い物袋が
風に乗って走り回っている
僕の知っている小さな子供たちが
どんなに騒いでもこうはならない
これが知っているいい大人達のやってることだと思うと
本当に気が滅入る
少し掃除を試みるも
可笑しくなって断念する
公共の場
しかも全くの他人がお金を払っている場所
何も気に止まらなかっただろうか
この人たちが振りかざす
良識や倫理観にズタズタに引き裂かれ
粉々になる自分は何者か
夕闇が屋上の手すりに
向こう側からその寛容の手をかけていて
もうすぐ全て隠してくれる

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