2011年7月8日金曜日

It's just one hour

羽音が止んだ
もう何も追いかけられない

みんなおうちに帰った
居るべき場所
旧友が仲間が待っている
みんな君の喜ぶことを知っている
安全なところ
エメラルドグリーンのポメラニアン
土砂降りの散歩から帰って
玄関からバスルーム
泥の足跡をつなぐ
バスルームで誰か泣いている
天窓を雨が叩いている
一粒一粒が重くて
時速100kmで走るライダーを撃ち抜くにはちょうど良い
声は届かない
鏡をのぞくと自分の両手が耳を覆っている
全てが明日へと続いているという絶望
その全てもいつかは必ず終わるという希望
心の中に一つの青い灯がともっていて
それは消えることがないという秘密
秘密と嘘
愛と思いやり
失望と殺人
雨と光
夜と音
アスファルトとスポンジ
のばそうとする手を夢中で抑える
叩き落とす

羽音は止んだ
何も追いかけてはいけない

現実と眠り
孤独と鏡
君と君
僕と僕
泡と言葉

かつて鮮やかな原色に輝いた全てのもの

全てのもの
それらを抱いたまま
また音楽の洪水に沈んでいく
水中で胸の中の空気を全部吐き出して

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