羽音が止んだ
もう何も追いかけられない
みんなおうちに帰った
居るべき場所
旧友が仲間が待っている
みんな君の喜ぶことを知っている
安全なところ
エメラルドグリーンのポメラニアン
土砂降りの散歩から帰って
玄関からバスルーム
泥の足跡をつなぐ
バスルームで誰か泣いている
天窓を雨が叩いている
一粒一粒が重くて
時速100kmで走るライダーを撃ち抜くにはちょうど良い
声は届かない
鏡をのぞくと自分の両手が耳を覆っている
全てが明日へと続いているという絶望
その全てもいつかは必ず終わるという希望
心の中に一つの青い灯がともっていて
それは消えることがないという秘密
秘密と嘘
愛と思いやり
失望と殺人
雨と光
夜と音
アスファルトとスポンジ
のばそうとする手を夢中で抑える
叩き落とす
羽音は止んだ
何も追いかけてはいけない
現実と眠り
孤独と鏡
君と君
僕と僕
泡と言葉
かつて鮮やかな原色に輝いた全てのもの
全てのもの
それらを抱いたまま
また音楽の洪水に沈んでいく
水中で胸の中の空気を全部吐き出して
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