2011年12月31日土曜日
十五時前 -draft1-
十五時前 -draft1-
2011.12.31@TORTINOS
僕らが待っていたバスが来て
見慣れた古いステップを踏んで
一番後ろのシートに並んで
15時前の町を見た
町を見た
車窓に流れる
町を見た
角の花屋の軒先のバラ
家路を辿るランドセル
通りの向こうの松林
海辺の町を日が進む
君が笑った
時ー波ーが全てをさらった
君のいなくなった世界に
僕は何を望めばいい
固く一つに生まれしものを
分かつ痛みを抱いて行く
きつく きつく結んだこの線の
片側だけを握りしめて
全て運命と呼んでしまえば
僕らは軽く流されて行く
やがて新しいバスが来て
一番後ろのシートに独りで
君が笑った
時ー波ーが全てをさらった
君のいなくなった世界に
僕は何を望めばいい
僕は何を祈ればいい
僕らが待っていたバスが来て
見慣れた古いステップを踏んで
一番後ろのシートに並んで
15時前の町を見た
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多くの人が大切なものをなくした年
何より希望が
何より勇気が大切だろう
異論は無い
新たな歩みを辿り始めるとして
それでも消える事のない悲しみと共に歩んで行く多くの人
その悲しみのほんのわずかでも知り
人知れずでいい
寄り添うこと
夏に訪れた失われた町で
その光景は目に焼きついた
その悲しみは心に焼きついた
静寂の圧倒的な悲鳴は耳に焼きついた
新たな年を迎える前に
その断片だけでも
僕の中に芽生えたものをここに標す
ご冥福をお祈りします
冥福なるものが在ると信じずにはいられない
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